人が乗っている”動く歩道”

人の体力・筋力は生まれた時から「動く歩道」に乗っているようなもので,
ある 年齢までは,日常生活をきちんと自分でやれるように普通に動いておれば
「動く歩道」 が生活するに必要な体力・筋力がつくように連れて行ってくれる。

日常生活以上に動けば,たとえばマラソンの練習をやるとか,剣道の稽古をする とか,
テニスをやるとか,日常生活の動き以上のことをやればその分プラスされ,普 通人以上の人,
つまり特技を持った人,マラソンランナー・剣士・テニスプレーヤー になれます。

さて,その「人が乗っている動く歩道」は年齢が上がるにしたがい動きがのろく なり,
ある年齢になると停止し,さらに年齢が進むとスイッチバックに切り替わって
ゆっくりとバックし始める,すなわち体力・筋力が衰える方向へ動き始め,
年寄りに なるほどバックする速度が速くなり,日常生活で体を動かす程度では
追いつかないく らいの速度で「動く歩道」が勝手に体力・筋力を衰える方向へ運び,
最後は老衰死へ
まで連れて行きます。

年寄りが今の体力・筋力を維持して,今まで通りの生活を楽しむためには,「動 く歩道」の
後退速度に負けぬよう前へ進む,つまり体を動かし,負荷をかける稽古が 必要です。
それも「動く歩道」は休みなくバックしているので,体を動かし,
負荷を かける稽古も休みなく(毎日がむりなら一日おきに)続けること
です。

大事なことは,「今まで通りの生活を楽しむ意欲」をもつこと,野球を楽しむな ら,
ボールを投げ,打ち,走り,打球を追い,捕り,投げ,受ける,
これらの動作が 「スイッチバックにギヤが入っている動く歩道」によって鈍らされぬように,
体を動 かし負荷をかける稽古を続けていくことが大事です。

年寄りにオフシーズンはありません。
「投げ込みは気温が上がってから」「打ち 込みはもっと温くなってから」と
言えるのは二十歳代までの若者の言うこと,
年寄り は 休んではいけません。

では,今日も元気で続けよう,稽古を!

               Apr.11,2009 還暦野球小僧